01/03/2015
Mixed media
W530 x H455mm
画面上でタイルのように展開される円形の反射面の集合体は、「この世は多世界である」という概念を表現している。その概念は2つの着想点から生まれた。
1. 解釈による多世界
自分にとっての「現在」というものは、過去の経験や記憶に基づいた解釈によって決まるものであり、同じ事象であっても、10人いれば10通りの世界がある。つまり、物理的には同じ世界でありながら、それぞれの人間の眼前には、違った世界が広がっており、その世界の集合体が、現在という世界を形作っている。
2. 量子の確率的な多世界
量子論には、予測不可能な量子の振る舞いによって、あらゆる可能性の世界が、同時並行で枝分かれするように存在しているという、仮説(多世界解釈)がある。その仮説によると、世界は一つではなく、量子の振る舞いによって枝分かれした無数の世界が存在しているらしい。この仮説の真偽はともかく、予測不可能な量子の振る舞いによって、数ある可能性の中から確率的に現在の世界は形作られている。
以上2つの着想点をもとに、この「多世界」は、どのように自分に関与し、自分はどう関与できるのか、自分が選択するのか、与えられるのか、その両極からの埋まらない解を求める思考と想像の過程を、作品上で表現した。
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